「愛別外猫雑記」(笙野頼子)


愛別外猫雑記 (河出文庫)

愛別外猫雑記 (河出文庫)


巷に溢れる凡百の猫好きエッセイをマシンガンでぶちのめすかのような、壮絶な記録。
「友達」になってしまった野良猫たちを守るために、周囲の猫嫌い&似非猫好きに果てしない戦いを挑み、心身をすり減らし、遂には家を買って引っ越しすることに。


時系列が混乱していたり、沢山の猫たちの関係が明記されないうちに進むなど、決して読みやすい内容ではないが、凄まじい迫力がじんじん伝わってくるので最後まで読まないとどうにも落ち着かなかったのだった。
私も猫好きのはしくれなのだが、この本を読んじゃうと道端の野良猫を見て無邪気に「あー可愛い」なんて言ってられなくなりますね。


日常を描いているはずのエッセイでも、しっかり「笙野頼子作品」として成立してるのがまた凄い。日々闘いなんだろうなあ、この人は。