「ゾフィー・ショル 最期の日々」(仮題)

Sophie Scholl - Die Letzten Tage
(上記画像は映画公開に合わせて出版された資料本の表紙)


原題は "Sophie Scholl - Die Letzte Tage -"。DVDにて観賞(独語音声・独語字幕)。
ドイツ公式サイト:http://www.sophiescholl-derfilm.de
日本では今年ドイツ映画祭で限定上映。一般公開は来年の予定。


第二次大戦時にミュンヘンで反ナチ活動を行なった結果、早急な裁判で死刑に追いやられた学生中心のグループ「白バラ」とその中心人物であったショル兄妹は、ドイツでは非常に人気が高いらしい。この映画では逮捕から死刑までの5日足らずの日々を、妹ゾフィーに重点を置いて描いている。


正直に言うと、映画を見る前はおぼろげに名前を知っている、くらいの知識しかなかったので、冒頭いきなり逮捕されて唐突な印象が否めなかった。(一応その後の訊問でそれまでの活動内容は明らかになるが。)この辺の経緯は多分ドイツ人なら常識範囲なのだろう。あわててネットで検索をかける:


「白バラの庭」http://www.weisserose.vis.ne.jp/index.html
(「白バラ」に関する情報をまとめた日本語サイト。非常にわかりやすい)


上記サイトと照らし合わせて観ると、史実にほぼ忠実に映画化していることが分かる。
中盤の取調官とのやりとりがこの映画の見所だが、劇的に盛り上げる演出ではないにもかかわらず、役者の力量によって緊張感が持続しているところが素晴らしい。
ただドイツ語の不自由な身としては、激しい言葉の応酬のためどんどん入替る字幕についていけない(しかも一時停止して辞書を引いても内容が難しすぎて分からない)というトホホな状況だったので、いつか日本語字幕できちんと内容を把握したいなあ、と切に思った次第。


「白バラ」の運動は今振り返るとちょっと迂闊すぎるというか、もっと慎重にやればいいのに!と思える部分も多かったが、ナチ政権絶頂期の当時にこれだけの勇気を振り絞れたというだけでも凄いことなのだろう。
映画そのものは地味だが、いろいろと勉強になり興味深い作品だった。