「漢文スタイル」(齋藤希史)


図書館にて借出し:


漢文スタイル

漢文スタイル


普段はつい欧米系の翻訳文学に偏って読んでしまっていますが、アジア系の作品も古典・現代文学の双方に
素晴らしいものがあるのは分かってはいるんですよね、時間がないだけで…。


本書は中国の古典的な漢詩を紹介しながら、日本文学に与えた影響にもさりげなく触れていきます。
中国と日本を往来する度に少しずつ変化する語句の解釈。それを理解不足と非難するのではなく、
文学としての広がりや多様性として肯定する姿勢がとても清々しく、底深い鉱脈を探り当てたような
気持ちになります。なにより柔らかくも熱い文章が、中国文学への愛情をひしひしと感じさせてくれます。

こんな文章がもっと読めたなら、漢文ファンが激増するんじゃないでしょうか。
今後とも要チェックであります。