「私の中のあなた」(ジョディ・ピコー)


古本にて購入:


私の中のあなた 上 (ハヤカワ文庫NV)

私の中のあなた 上 (ハヤカワ文庫NV)


私の中のあなた 下 (ハヤカワ文庫NV)

私の中のあなた 下 (ハヤカワ文庫NV)


著者の作品は以前「すべては遠い幻」を読んだことがありまして、今回読了分も含めて思ったのは、なんだか題材の設定が
萩尾望都っぽいよなあ…ということなのでした。「すべては…」が「訪問者」だったら今回は例えば「半神」とか。


訪問者 (小学館文庫)

訪問者 (小学館文庫)

半神 (小学館文庫)

半神 (小学館文庫)


もちろんピコー作品の方がよりエンタメ内容てんこ盛りですし、今回の作品なら母親に対して訴訟を起こすという発想は
いかにもアメリカ的だといえるわけですが、家族(特に母親)との愛憎入り乱れた複雑な感情描写という辺りに目を向けると
どうしても萩尾望都作品を連想してしまいます。いやー全然違うといえば違うんですけど、なんか切り捨てられない。
映画もDVD化されたら観てみたいと思ってます。キャメロン・ディアス好きだし。




兄の番人―若き日のジェイムズ・ジョイス

兄の番人―若き日のジェイムズ・ジョイス


原題は「My Sister's Keeper」で聖書の語句「My Brother's Keeper」のヒネりな訳ですが、それで思い出すのがこのエッセイ。
奇人にして天才のジェイムズ・ジョイスを兄に持った弟の、嫉妬と感嘆が入り混じった告白に胸が詰まりました。その存在価値を
一番評価しつつも最も被害を被るのはその兄弟姉妹、ということになるのでしょうね…。