「クラウドソーシング」(ジェフ・ハウ)

図書館にて借出し:


クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす (ハヤカワ新書juice)

クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす (ハヤカワ新書juice)


クラウドソーシングとは(IT情報マネジメント用語事典):
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/crowdsourcing.html



今もっとも動いている分野。その内容も多種多様で、例えばこの本の中では大まかに四種類に分けています:


●Crowd Wisdom:「○○人寄れば文殊の知恵」ではないけれど、大勢の人が集まれば集まるほど、その中に解決案を
知っている人が含まれる可能性が高いので、少数の専門家より多数のアマチュアの方が正解に近づける事がしばしば
起こりうるということ。


●Crowdcreation:共通の目標を持った多数の人間が競い合うことである制作物をより効率的に、より良い形に
発展させること。一般的にオープンソース(制作過程の情報を共有化すること)の方がより効率は高まる。


●Crowdvoting:自身が才能あるクリエイターではなくても、数ある候補作品の中からより良いものを選び出す
ことに長けている人たちは多い(1:10:89の法則(=創造者:選出者:消費者の割合はどの分野でも大体
このくらい))ことを利用し、投票制によって世に出す製品を絞り込むこと。


●Crowdfunding:小額でも多数の人間が、自分が支持する人やグループに投資することでその活動を支援すること。
支持者の規模が明瞭なのでマーケティングもやりやすい。


インターネットの普及によって世界的規模で共通の嗜好・目的を持つコミュニティが成立しやすくなったこと、
そのコミュニティ間では金銭より情報の受け渡しの方が大切(自分の持っている情報を知らなくて困っている
人に教えてあげることの喜びが報酬よりも重要な価値を持つ)という辺りが特に印象に残りました。


ビジネスモデルとしてはまだまだ未知数ですし、商売として成立してしまった途端につまらなくなってしまう可能性も
充分あると思いますが、ネット世界の一参加者としてこれからの動きにも注目しておきたいと思います。



関連図書としてこれから読みたい本:


「多様な意見」はなぜ正しいのか

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「みんなの意見」は案外正しい

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