「物語としてのアパート」(近藤祐)


図書館にて借出し:


物語としてのアパート

物語としてのアパート


●書評(塚本ヒロユキ氏、Book Japan):
http://bookjapan.jp/search/review/200906/tsukamoto_hiroyuki_01/review.html


空疎な理論を振り回すことなく、地道な資料集めに基づいた考察は深みを感じさせながらも刺激的で、そして何より
文学に対する真摯な愛が全編に満ちている評論集です。とても良い内容だったので他の著作も読みたいと思いつつ
「あとがき」まで読み進めたら、なんと文学研究者ではなくて一級建築士だったという事実に驚きながらも、知れば確かに納得。
愛情を込めて丹念に紡いだ文章は、売文業のものにはない濃密さを感じさせます。私もこんな風に文学を愛したい、
ただ読み流すだけではなく傍らに寄り添わせるように。そんなことを思わせた魅惑的な一冊でした。