「僕とカミンスキー」(ダニエル・ケールマン)


図書館にて借出し:


僕とカミンスキー

僕とカミンスキー


翻訳の順番が入れ替わってしまったけれど、本国ドイツでは『世界の測量』の2年前に出版された作品。


無名だけど自意識過剰な美術評論家の「僕」が、一時持て囃されたが今では忘れられた存在の画家・カミンスキー
伝記を書こうとして繰り広げられるスットコドッコイな物語。「僕」やカミンスキーは勿論、その他の登場人物も
ひねた性格のギョーカイ人やゲージツ家だったり、「僕」に無理解な人たちばかり(といってもその原因はどうも
「僕」の方にあるように見える)で、ちっとも話が噛み合わないのがミョーな可笑しさを醸し出しています。


既にベッカー監督&ダニエル・ブリュール君主演の「グッバイ、レーニン!」コンビで映画化が決定している模様。
私にとって<永遠の好青年>であるブリュール君が「僕」を演じ切れるのか?と不安も残りますが、無自覚的にヤな奴を
嫌味なく演じてくれたら確かに面白くなりそう。楽しみに待ちます。