「神器−軍艦「橿原」殺人事件」(奥泉光)


図書館にて借出し:


神器〈上〉―軍艦「橿原」殺人事件

神器〈上〉―軍艦「橿原」殺人事件

神器〈下〉―軍艦「橿原」殺人事件

神器〈下〉―軍艦「橿原」殺人事件


待ち望んでいた光ちゃんの新刊。しかし近所の中規模書店数軒を随時チェックしても店頭に並んでいるのを見たことがないんですが、
新潮社さん、ちゃんと売ってます?販促してます?


しかし売りにくい本だな…とは思いました。以前からの奥泉光ファンとしては、これまでの総決算というか集大成という感じで
読み応え充分なんですが、他人に勧めるとなると、どういう切り口でその魅力を語れば良いのか…戦争ものでもミステリでもない、
純文学ともエンタメともトンデモとも言い難い、禍々しい幻視力に満ちた作品です。最初の方は漱石風の軽口で飛ばしてるけど
段々毒気に当てられてきて、読了後はかなりヘロヘロ状態でした。


パラレルワールドな過去から現代を透視する、という手法からスティーヴ・エリクソンを思い浮かべました。でもユーモアがある
(ブラックなのも含めて)分、光ちゃんの方がずっと面白いと思う!…というので販促になるでしょうか?疑問…。


Xのアーチ

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