「経済倫理=あなたは、なに主義?」(橋本努)


図書館にて借出し:


経済倫理=あなたは、なに主義? (講談社選書メチエ)

経済倫理=あなたは、なに主義? (講談社選書メチエ)


非常にテキパキとしていて無駄のない内容。マニュアルとして最適。


もともと何においても(食べ物だって)100%ピュアなものは害悪だと思っているし、○○主義といったイデオロギー
振り回されたくないとも日頃思っているけれど、日ごろ自分が直観的に選択している事柄が、奥まで探ればこういう思想傾向と
つながっているんだよと知っておくのは悪い事ではない、と感じられました。もちろん一本筋が通った思想を持っている訳でない
私は矛盾しまくりで我ながら呆れてしまいましたが、それはそれとして思想傾向の説明が非常に分かりやすく参考になりました。


そもそも初めは「追跡・アメリカの思想家たち」(会田弘継)を読んでいたのですが、出てくる人物に馴染みが薄いという以前に
まず冒頭にアメリカの思想傾向をマトリックス上に描いてざっと解説してくれたら後が随分読みやすいのに!と少々憤慨していた
(中盤でそれっぽい説明が出てきますが、それでは遅すぎるという気がしました。まあ元々思想家列伝であって解説書を目指した
訳ではないので仕方ないのでしょうが…)ところだったので、本書は正に私の期待にこたえてくれた一冊というわけです。



追跡・アメリカの思想家たち (新潮選書)

追跡・アメリカの思想家たち (新潮選書)

読みにくかったけど、今読めばもう少し分かるかな…。


本書とは多少内容が異なりますが、ネット上で自分の傾向を簡単にチェックできるサイト(日本版ポリティカルコンパス)があるというので
試しにやってみました。結果はやや「リベラル左派」。Left of Centerってくらいでしょうか。まあそんなところかなーと自分でも
思いますが、いいかげんに答えた部分も多いので時間を置いて再度試したら全然別の結果が出そう。
「主義」という言葉に振り回されずに、上手に利用していきたいと思わせる本でした。経済倫理という概念そのものも面白く
感じられたので、引き続き類書に当たってみたいです。