「外国人学校」(朴三石)


図書館にて借出し:


外国人学校―インターナショナル・スクールから民族学校まで (中公新書)

外国人学校―インターナショナル・スクールから民族学校まで (中公新書)


近所にフランス人学校もあるし、先日会った友人からドイツ人学校の話を聞いた事もあって読んでみました。
海外赴任で必ず頭を悩ませるのは子供の教育のこと。それは海外に居る日本人家族も、日本に居る外国人家族も同じです。
他人事で話を聞いているだけでも、大変だなあと思う事ばかり。


インターナショナル・スクールを含めた日本国内の外国人向け学校全て(2007年で221校)を紹介しようとしているため、
前半部分はやや単調。著者は便宜的に欧米・南米系とアジア系に分けて説明していますが、例えば昨今増えている南米系
(ブラジル、ペルーなど)の学校については欧米系と別に紹介した方が良かったように思えました。


私が一番興味深く読んだのは問題点・改善点を挙げた第6章と最終章。日本の一般的な学校とは違う「各種学校」(英会話学校などと
同じ扱い)とされ、卒業しても日本の大学を受験できない、政府の公的補助が皆無、通学定期券に学割が効かない、といった
制度上の不備がようやく改正されつつあるというのが現在の状況。まだまだ日本政府の対応は閉鎖的だと思えます。
小学生には、英語の授業を受けさせるより近所の外国人学校との交流を活発にした方が国際化としては実りが多いと思うのだけど
実際のところはどうなんでしょう。今度近所のフランス人学校で公開行事があるか調べてみます。


それにしてもブラジル人学校が現在95校もある(朝鮮学校より多い)という事実は全く知らなくてビックリしました。
東京には無くて東海地方に集中しているということもあって気づきませんでした。施設も資金も足りなくて大変だろうな…
どこに居ても子供には不便な思いをしてほしくないですよね、ホント…。