「見知らぬ場所」(ジュンパ・ラヒリ)


図書館にて借出し:


見知らぬ場所 (新潮クレスト・ブックス)

見知らぬ場所 (新潮クレスト・ブックス)


デビュー作『停電の夜に』を読んだ時は、「確かに上手いけど…マイノリティ出身で、女性で、一作目だったら書くことそれなりに
沢山あるもんねえ。むしろ今後どう続けるかが問題よねえ」なんて思っていたのでした。
しかし長編を挟んでの今回の短編集…すいません疑った私が悪うございました。そうです著者がすんごく美人だったんでちょっと
やっかんでたんですゴメンナサイ!と懺悔したくなる、それくらい文句なしの作品揃いでした。


一編の分量はさほどではないのに、一つ一つの家族に寄り添った、長い年代記を読んでいるような充実感。劇的な事件はほとんど
起こらないけれど、身内だからこそ傷つけてしまう、傷ついてしまう、そんな些細な言葉や行動の向かう先に心が痛みます。
これから先どう変化していくのかますます楽しみです。ちなみに著者近影は人妻の色気が加わって一層お美しい…ずるい…。