「フロイトのイタリア」(岡田温司)
図書館にて借出し;
- 作者: 岡田温司
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2008/07/01
- メディア: 単行本
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フロイトについては極々基本的なことしか知らない私ですが、イタリア美術史の方向からアプローチをかけた
この文章は意外なほど読みやすく、しかも大変刺激的でした。精神分析 and/or 西洋美術に興味のある人なら
確実に楽しめると思います。
それにしてもフロイトの事を知れば知るほど、そのたゆまぬ自己分析への努力に驚かされてしまいます。
ひたすら自分の無意識の井戸の底へダイブしていって何かを汲み上げて帰ってくる…そんな印象を受けます。
汲み上げたものが何であれ、それを客観的に分析しようとする意志の強さが凄い(逆に他人の無意識に
ダイブするのは実はあんまり上手くなさそうなところがまた面白い)。とんでもない自我のカタマリです。
本書でも紹介されている「夢診断」や「度忘れのメカニズム」なんて、いま素人目でみるとこじつけっぽいというか、
ほとんど駄洒落?オヤジギャグ?とか思ってしまいますが、ウンウン唸りながらあれやこれやと知恵を絞って
新しい自分を発見する作業はやはり先駆者としての迫力を感じます。敬服。