「読書教育」(辻由美)


図書館にて借出し:


読書教育―フランスの活気ある現場から

読書教育―フランスの活気ある現場から


やはり本書の大半を占める「高校生(が選ぶ)ゴンクール賞」の成立過程ならびに現状を巡るルポが圧倒的に
面白かったです。いかにもフランスらしくエリート予備軍の鼻持ちならない高校生が主役なんだろうと思って
いましたが、実際には地方の一教員のアイデアが共感を呼び、次第に規模を拡大していく様子がよく分かりました。
欲を言えば少数でも反対意見を聞いてみたかった気がするけれど、それは無いものねだりなのかも。


参加する高校生も大変だけど、彼らを指導する教師達に技量と度量がなくてはとても上手くいかない催しです。
読書教育と文学賞のあり方、どちらも日本は検討して良い所はどんどん取り入れていって欲しいし、中にはすぐ
出来ることもあると思うのですが、どうなんでしょうね?日本の関係者側からの意見を聞いてみたいです。



【参考】「仏で高校生の文学賞に注目 「本家」しのぐ売り上げも」(asahi.com)
http://book.asahi.com/clip/TKY200703050225.html

↑著者の署名記事ではありませんが、本書のための取材で得た情報を提供しているという感じ。
この記事に興味を持たれたら、ぜひ本書も読んでほしいです。