「顰蹙文学カフェ」(高橋源一郎、山田詠美、他)


図書館にて借出し:


顰蹙文学カフェ

顰蹙文学カフェ


「顰蹙を買ってこそ一流の小説家」という主張はある意味定番なので、その点は特に新味を感じなかったですが、
ゲスト(島田雅彦中原昌也車谷長吉古井由吉瀬戸内寂聴)を含めての会話が面白くてスルスル読めました。
未だ不幸の王子様ぶってる島田氏、文学ツンデレ振りをホスト二人に喝破されちゃう中原氏、自己認識と実際が
恐ろしく乖離している車谷氏、老いてもはや怖いものなしの古井氏、山田氏とタッグを組んで高橋氏の結婚問題に
ずんずん立ち入る瀬戸内氏…と内容は豪華。


でもちょっとみんな仲良しすぎる気も致しますね。文学に対する共通言語が既に存在しているから意思の疎通が
スムーズで、突っかからなさすぎる印象を受けました。中原氏なんかはそういう自分がイヤなのかもしれないけど。
ホントに顰蹙を徹底するならやっぱり辻仁成を呼んでガンガン喧嘩していただかないと。


山田氏が芥川賞選考委員ということもあって「メッタ斬り!」シリーズに対する一つの返答になっている部分も
多かったです。というか「メッタ斬り!」をかなり意識してる人選・構成と思えました。合わせて読むのが吉かも。




文学賞メッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできました編

文学賞メッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできました編

さすがにそろそろ飽きてきたかな…。石田衣良をゲストに呼んだのは偉かった。