「ブラックブック」(2006)

ＷＯＷＯＷにて視聴：

ブラックブック [DVD]

第二次大戦末期のオランダを舞台に、家族を殺されたユダヤ人女性がスパイになってナチス高官を誘惑する…
という幾らでも重厚・高尚な内容に出来る話を、ともすればＢ級サスペンスちっくな怒涛の展開で
攻めまくられてビックリ。人間なんてお上品なもんじゃない、下劣で卑劣でおぞましい（しかしそれゆえに
素晴らしい）存在なのだと見せつける監督の心意気、しっかりと受け止めました。
バーホーベン監督のコアなファンにはこれでも生ぬるいのでしょうが、私なんかはこれ以上過激になったら
ちょっとついていけないわ…このくらいがベストです。いや面白かったー。

最近は欧州全体で「悪いのはナチス」という定説から、次第に「私達は本当に単純に被害者なのか？積極的な
加担・協力の事実から目をそらしていないか？」といった問いかけが広がっているように思えます。もちろん
それでナチスの罪が軽減されるわけではないけれど、大切な問いだと思うのでじっくり追いかけてみたいです。

天国の発見(上)

　

天国の発見(下)

オランダ人のエンタメ気質ってみんなこんな感じ？とふと思い起こした作品。
ムリシュも翻訳もっと出ないかなあ。
●感想：http://d.hatena.ne.jp/shippopo/20070704