「碁を打つ女」(シャン・サ)


図書館にて借出し:


碁を打つ女

碁を打つ女


心を通わせるどころか、通常なら巡りあう事すらなかったであろう人たちが、歴史の渦に巻き込まれ
つかのま邂逅する…という話が私は昔から好きで、この作品など正にそのもの。堪能しました。
選び抜かれ、研ぎ澄まされた言葉による、抑制された文章が素晴らしい。母語以外の言語で書く人
特有のストイックさなのでしょうか。


「高校生が選ぶゴンクール賞」2001年受賞作。フランスの高校生、レベル高っ!と焦ってみるも
実際は本家ゴンクール賞候補作の中から選抜された高校生2000人(1500人?)が選ぶという
けっこうエリート意識ぷんぷんの選考方式で、この辺いかにもフランスらしいといえるかも。


最近は本家との差別化も明確になっているようで、多分賢い若者達のことだから
「おぢさん達はどーせこっちをゴンクール賞に選ぶんだから、じゃー俺らはあえて若者らしく
大穴でアレを推すか」みたいに計算して選んでるんだろうなあ、とか考えてみるのも楽しいです。


●参考「ゴンクール賞の社会的位置の変化」山内良起(慶應大学
http://web.sfc.keio.ac.jp/~t04844km/culture/2007/06/post_52.html



特別な一日 [DVD]

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「別々の人生を歩んでいた2人のつかの間の邂逅」パターン、映画の決定版はこれかなあ。
ほぼ全編が二人芝居で成立しているところが凄い。さすがマストロヤンニ&ローレンであります。