「凍える森」(アンドレア・M・シェンケル)


2007年ドイツ・ミステリー大賞受賞作。
20年代に実際に起こった陰湿な殺人事件を基にしていること、普通の主婦が発表した作品だったこと、
更にはちょっとした盗作疑惑騒ぎなどもあって、昨年ドイツではかなり話題になっていました:


凍える森 (集英社文庫)

凍える森 (集英社文庫)


ニュースのかお:アンドレア・マリア・シェンケル(ドイツ・ニュースダイジェスト)



ミステリと言っても謎解きよりは事件を巡っての隣人たちの心理描写が中心で、読みようによっては
ちょっとホラーっぽい。息苦しくなるほどの閉塞感は以前観た映画「Requiem」を連想させた。
あれも舞台はバイエルンの方だったし。


しかしそれよりやっぱり身内が突然こんな話を書いたら驚くよなあ、というのが正直な感想。
「お、お母さんって、そうだったんだ…」とか思ってしまうかも。
著者と作品は分けて考えなければいけないのは勿論ですが、なんでこの題材なのか、ってやっぱり聞いてみたい。