「時間割」(ミシェル・ビュトール)


ヌーヴォー・ロマンって難解?退屈?と若干の不安を抱えつつ読んでみたら
なーんだとっても面白かった!


時間割 (河出文庫)

時間割 (河出文庫)



時間構成がやや複雑ではあるが、著者の意図は明確かつ綿密で決して難解ではない。
今どきのミステリではこのくらいの時差&叙述トリックは割と普通じゃないかな。
この小説自体はミステリではないが、ミステリの型を上手く利用していて
それが読みやすさの一因になっているのは間違いない。


フランス人の「あーもう英国なんて辛気くさくてやだやだ!」という心の叫びが
全編に響き渡っているのが、第三者からするとなんだか笑えてしまったりする。
単純に捉えれば非モテ男の妄想話だもんね…実際、恋人ができてたら結構バラ色の
一年だったような気もするし。
要はフランス男だからっていつもモテモテとは限らないってことですね(違う)。