「The History of Love」(ニコール・クラウス)


The History of Love (Penguin Essentials)

The History of Love (Penguin Essentials)


エブリシング・イズ・イルミネイテッド」のジョナサン・サフラン=フォアと昨年結婚。NY若手作家のゴールデン・カップルなどと呼ばれて一時期なんだか妙に話題となった。


加えてこのベタな題名。「まあっ、最近の若い人達は…」と読む前から眉をひそめる文学オバサン(私だ)の気持ちも分かってほしい。


しかし読み始めは意外と好印象。「あら、案外気立ての良い娘さんじゃないの?」とますますオバサンじみた感想を持ちながら読みすすめる。
実際、短編として発表されたという第1章は非常に完成度が高い。


でもそこから先は、うーんどうなんだろ、ちょっと凝りすぎというか技巧に走りすぎのように思われた。ガチガチに技巧で固めた構成の小説って個人的には結構好きなんだけど、この本では思ったほど効果を上げてない気がした。


夫婦というだけで比べてしまうのはあまりにも安易なんだけど、それにしても出自から物語の展開の仕方から、ここまでジョナサンと似ていると読んでいてかえって不安になる。もちろん相違点もあるが、現時点では類似点にばかり目が行くのもこりゃ仕方ないよなーと思える。
夫婦ってただでさえ年を経るにつれ「似たもの」になりがちなのに、今からこんなに似てたらどうするんだ。まあ似ていたからこそ惹かれあったというのもあるんだろうけど。
オバサンはなんだか心配です。



2/3の不在

2/3の不在


一作目がすでに翻訳されていたとは知らなかった。面白いのかな?