「Keine Lieder ueber Liebe」(2004)


レンタルDVDにて観賞(独語音声・独語字幕)。
●公式サイト:http://www.keine-lieder-derfilm.de
●DVD情報(Amazon.de):http://www.amazon.de/exec/obidos/ASIN/B000F1IIKS/


グッバイ、レーニン! [DVD]」で気の良い映画オタクを演じたフローリアン・ルーカス君がこちらでも映画青年に。
と言っても、こちらはあくまでもシリアス。しかし、これがなかなか良かったのです。


ビアスとエレンはベルリンで一緒に暮らす恋人同士。
しかし一年前、ロック歌手である兄のマルクスにエレンを引き合わせた際に、兄と彼女の間に何かあったのではないか…と一人悩むトビアス。彼はマルクス率いるロックバンドのツアーに同行してドキュメンタリー映画を撮ることを思いつき、エレンもその誘いに乗るのだが…。


映画全体がトビアスの撮るドキュメンタリー、という体裁を取っており、それが不思議なリアル感を生み出している。きちんとした脚本を用意するのではなく、役者達がかなりその場の即興で演じたそうで、地味な映像ながら舞台を観ているような緊張感が全編に漂うのも心地よい。


主役のF・ルーカス君は、普段のはしゃいだ雰囲気を控えて抑えた演技を見せてくれました。なるべくポーカーフェイスで通そうとしている分、ふとしたことで溢れ出てしまう感情が一層痛々しい。
最近は雑誌の表紙にもなったり↓して、なかなかの活躍ぶりです。
http://www.jetztredenwir.de/style.php?id=24214
(下段の「Zur Fotostrecke」と書いてある画像をクリックすると、一連のフォトセッションの様子が見られます。なかなかカッコイイじゃん!ちょっと足が短いけど)


マルクス役のユルゲン・フォーゲルも今年のベルリン映画祭で賞をもらうなど着々と実績を積んでいる役者さんで、今後の活躍が楽しみであります。
(でも歌は歌わない方が良いんじゃないかと思った…ははは)


映画内で演奏している「ハンゼン・バンド」の成立事情については↓に詳細が:
http://www.goethe.de/ins/prj/life/dezember05/ja1036273.htm
(ドイツ・アートニュース)


終盤の母親のエピソードは要るのかな?とか、最後の方はドキュメンタリーっぽくなくなってきたけどわざとかな?とか疑問に残る部分もあったけれど、全体としては引き締まった感じの良い映画でした。フローリアン・ルーカス君、日本でも人気が出ると嬉しいんだけどなー。