ニースの本屋さん


「読めなくっても本屋には入る」、今回はイースター休暇中に訪れたフランスはニースで見つけた Privat-Sorbonneという本屋さんに入ってみました。
●公式サイト:http://www.privat-sorbonne.com


ニースといえば有名な避暑地ですが、中規模ながらリゾート地にありがちな浮ついたところのない、なかなか手堅い品揃えで感心しました。
「日本文学」の棚まであってビックリ。三島(一番多かった)・川端・谷崎といった大御所、大江・村上といったベテランと並んで、小川洋子川上弘美の翻訳が複数置いてあったのが印象に残りました。ふーん、そういうのが人気なんだー。平野啓一郎日蝕」もありました(三島系だから?)。



調子に乗って、全く読めもしないのに新刊情報誌2冊を買い込んできました。(本当はクロスステッチの雑誌を探したのだが、ドイツと同じものしかなかった)
画像はそのうちの一冊「Transfuge」というLe Magazine de Littérature Etrangère、つまり外国文学専門誌(!)の表紙ですが、しばらく御無沙汰しているうちにトム・ウルフがすっかり老けちゃって!ファンでもないのにちょっとショック。トレードマークの白いスーツがなんだか痛々しい…。
J・M・クーツェ、カズオ・イシグロリチャード・パワーズなんてお馴染みの名前も。パワーズは初めて顔写真を見たけど、坊っちゃん刈りのミック・ジャガーみたい。
●公式サイト:http://www.transfuge.fr



もう一冊は「LiRE」という新刊情報誌。こっちの方はミステリ特集などカジュアルな内容も多い。
●公式サイト:http://www.lire.fr



この2冊と本屋さんをざっと見て感じたのは、フランスでは仏語文学と外国文学を明確に分けているということ。
そんなの日本でも普通じゃん?と思うでしょ?ところがドイツでは本屋に行っても情報誌を読んでも、パッと見ただけじゃ独語オリジナルなのか翻訳なのか分からないことが多いのです。最初はこれで結構苦労しました。今はそういうのもありかなーと思うけど。



余談ですがニースで泊まったホテルは、たまたま先日読んだ「素粒子 (ちくま文庫)」の終盤でミシェルが泊まった Hotel Windsorでした。小説では異母兄から「お前、今じゃ贅沢好みになったのか?」なんて野次を飛ばされてましたが、そ、そんなスノッブなホテルじゃなかったですよ…オフシーズンだから安かったし、スタッフはとても親切で居心地は大変良かったです。また泊まっても良いな。
http://www.hotelwindsornice.com



もちろん私だってニースで本屋に篭っていたわけではなく飲んだり食べたり遊んだりしていたわけですが、そういう話はまた今度。