「Never Let Me Go」(カズオ・イシグロ)


4月に早川書房より日本語版が出ると知ってあわてて原書を読む。最近こんなパターンばっかり。いや、邦訳が早く出るのは大歓迎ですよ?


Never Let Me Go

Never Let Me Go


ある特殊な「環境」に置かれた若者たちの「青春」物語、といったところだろうか。
著者の主眼が「青春」の方にあるのは充分に分かる(そしてそれは非常に繊細で美しい)のだが、なにせその「環境」というのがあまり特殊というかビミョーなので、ついそっちの方にツッコミを入れたくなるのが野次馬根性というもの。
しかし本格的に議論するにはあまりにも情報不足な作品なのよねん。
というわけで私の評価もビミョー。もともと青春ものも苦手なので…。




(ここからちょっとネタバレ気味)

ブループリント (ユースセレクション)

ブループリント (ユースセレクション)


「環境」つながりでいくと、↑は少し前にドイツで映画化されたのを観たのだけど、これなんかも「なんか20年以上前に萩尾望都が描いてたような話だなあ」と思ってしまったわけです(具体的には「A−A’」とか「半神」とか「イグアナの娘」とか)。そう思うと萩尾望都はやっぱりすごい。今だに停滞してないもんなぁ。なんか全作品を一からだだーっと読み返したくなってきました。