「あなたの人生の物語」(テッド・チャン)


少し前にebookoffにて購入。今ごろ読んでてすいません。


あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)


何年かに一度くらい無性にSFが読みたくなる時期というのがあるのだが、その場合に本当に読みたい!と思っているのは実はこういう類の小説なのだな、と遅まきながら気がついた。
発想が斬新なだけではなく、その内容に表現方法が連動していること。つまり中身と容物が一致している作品に私は大変ヨワイ。その意味で表題作は、ほぼ満点といえる。


この本の発売時(2003年)はこれが著者の全作品だったそうだが、このあと新作は出たのだろうか。




実はこれと並行してJ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」シリーズを読んでいたのだけど、↑と比べると異星人とのコミュニケーションがあまりにもスムーズなのでそのギャップに目眩がしてしまった…第三作目なんて異星人がわざわざ英語で話してくれるんだよ!なんて楽チンな!(まあ勿論それには一応理由があるのですが)
内容も、発表当時はまだアツかったであろう米ソの冷戦構造が透けてみえて、読んでてなんだか不思議な気持ちになりました。今では書けないだろうな、こういうの…。