「Jonathan Strange & Mr. Norrell」(Susanna Clarke)

やっと読み終わりました。いやあやっぱり長かったねえ…。


Jonathan Strange and Mr. Norrell

Jonathan Strange and Mr. Norrell

●公式サイト:http://www.jonathanstrange.com


第一部読了時点での感想:
http://d.hatena.ne.jp/shippopo/20051118/1132330556


第二部になってようやくジョナサン・ストレンジ君が活躍する。
「なんでもやってみよう」の実践派として経験を積んだストレンジは、書斎派のノレル氏と本来そんなにウマが合わないのだが、英国公認の魔法使いは彼ら二人だけ、ということで何かと協力しあわざるを得ない。というわけで師弟関係を結ぶ二人。


そのうちフランスとの戦争が激化して、ストレンジは戦地に赴く(というかうまくノレル氏に追っ払われる)ことに。
魔法の事は何も知らない指揮官達と、戦術については全く無知のストレンジ。初めはなかなか双方の思惑が噛み合わなかったが、それでも次第に息が合うようになり、ストレンジ自身も厳しい戦況の中で成長する。


戦争から戻ってきたストレンジに、もはやノレル氏の後ろ盾は必要ではない。得に英国史上もっとも力のあった(しかし後に英国を去った)魔法使い Raven King(大鴉王?)の解釈を巡って両者の亀裂は深まり、ついに二人は袂を分かつことに。


こんな感じでうらうらまったりと進む(著者はジェイン・オースティンのファンらしい。なるほどね)のかなあ?と思っていたところ、第二部の最後に起こるある事件から、第三部はかなり私好みのダークな展開に。終盤はなかなかスリリングでありました。
本当は第一・二部で色々伏線は張ってあったんだけど、そこまで書いているとあらすじだけで膨大な分量になってしまうので省略。でも一応最後に謎は全部回収してあるね。


とにかく色々な要素の混じった小説で、もうちょっとスッキリ整理できた部分もあるような気もするけど、そのごった煮感がまた楽しい、という感じでしょうか。たっぷり時間をとってゆったり読むのが正解なんでしょう、きっと。私は途中でちとダレちゃったかなあ。


それにしても世界幻想文学大賞はともかく、ヒューゴー賞まで獲っちゃったのにはちょっとビックリ。ヒューゴー賞ってもっとバリバリSF系かと思ってたので。
映画化の話も着々と進んでいるようです。はやっ。
●参考:http://hamchu.exblog.jp/1715225(見てから読む?映画の原作)



ところで本文中に挟まれる一連の挿絵が、暗くてごちゃごちゃしてて鬱陶しいんですけど…英国ではこういうのが良いの?ちょっと理解不能