「マルセル・エメ傑作短編集」(マルセル・エメ)

マルセル・エメ傑作短編集 (中公文庫)

マルセル・エメ傑作短編集 (中公文庫)


訳書によってマルセル・エメだったりエイメだったりエーメだったりするけど、とにかくそのMarcel Aymeさんの不思議な味わいの短編集。
ほんのちょっと視点をずらしただけで、平凡な風景がガラっと一変して悪意に満ちていく、その鮮やかな手法がたまらない。


私の好みは、サーカスの人気者だった小人が突然成長して普通の若者になってしまう「こびと」、法律改正で仏国民がこれまでの半分の年齢に若返ってしまう「ぶりかえし」のようなファンタジー風のものだけど、淡々とした描写の「クールな男」「パリ横断」も捨て難い。あと犬好きなら「われらが人生の犬たち」には思わずウンウンと頷いてしまうのでは。


メジャーでもマニアックでもないけど、「ああ、面白い短編を読んだなあ」という満足感が味わえる一冊だと思います。



おにごっこ物語 (岩波少年文庫)

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猫が耳のうしろをなでるとき (ちくま文庫)

猫が耳のうしろをなでるとき (ちくま文庫)

フランスの農家を舞台にしたのんびりと、でもちょっと意地悪な児童文学。動物たちの会話が楽しい!


壁抜け男 (角川文庫)

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あ、これ出てたんだ。買わなきゃ。