「ポスト消費社会のゆくえ」(辻井喬/上野千鶴子)


図書館にて借出し:


ポスト消費社会のゆくえ (文春新書)

ポスト消費社会のゆくえ (文春新書)


私も上京したての頃はセゾンの文化活動に大いに感化されたクチなので、セゾングループの隆盛から凋落までを
確認しあうこの対談集は非常に興味深く読みました。後発の百貨店として試行錯誤し、尖がった宣伝と文化活動で
注目を浴び、拡大した事業が破綻を招き、そして今は百貨店という形態そのものがその役割を終える時期を
迎えている…辻井=堤清二氏の個人史としても高度成長期からの日本の社会経済史・文化史としても面白い内容と
なっています。


辻井氏は一線を退いた余裕で好々爺ぽく答えていますが、上野氏の切込みは容赦がありません。特に女性社員登用制度の
くだりは専門分野だけあって鋭く突っ込んでいます。二人の好対決・名勝負の一冊としてだけでも読む価値があると
思いました。



これから読んでみたいと思っている本:



叙情と闘争―辻井喬+堤清二回顧録

叙情と闘争―辻井喬+堤清二回顧録


西武事件 「堤家」支配と日本社会

西武事件 「堤家」支配と日本社会


小説家・詩人としての辻井氏の作品は読んだ事がないのですが、面白いんでしょうか?