「子どものための文化史」(ヴァルター・ベンヤミン)


年末年始の帰省移動用に購入:


ベンヤミン 子どものための文化史 (平凡社ライブラリー)

ベンヤミン 子どものための文化史 (平凡社ライブラリー)


1930年前後に子供向けラジオ番組用に書かれた原稿を集めたもの。といっても子供向けにレベルを落としたという感じは全くしません。
取り上げている内容も独特で、ヨーロッパ的かどうかまでは分からないですが、少なくとも普通の日本人が選ぶトピックではなくて
それだけでも充分面白いと思えました。


原題は「Aufklärung für Kinder」、これを直訳すると「子どものための啓蒙」ですが、冒頭の魔女裁判の話に見られるように
根拠のない迷信を退けるだけでなく、理性や学識を盲信するあまりに誤った方向へ狂走する危険性を戒めているのが印象的でした。
年明けに読んで満足の一冊。