"Becoming Belle" (Nuala O'Connor)

 読みたい洋書が溜まって困っていますが、まあ一つ一つ:

Becoming Belle (English Edition)

Becoming Belle (English Edition)

 

 19世紀末に実在した女性、Isabel  (通称 Belle) Biltonの物語。イギリスのナショナル・ポートレート・ギャラリーにも当時のブロマイドが所蔵されているそうで、人気のダンサー(というかアイドル?)だったらしい。

とはいえ男運は悪く、最初の男は結婚詐欺師。貢がされ妊娠させられ捨てられるというお決まりのパターンで、この辺までは正直読んでいても少々うんざりしました。

しかしそこからたくましくなるのが女性の強さ・面白さで、職業婦人としてのプライドがむくむくと湧き上がってくる。次に愛したのがアイルランド貴族のお坊ちゃまで、これも客観的にはかなりの「だめんず」なんだけど、父親に頭が上がらない坊やに「そんなの私が養ってあげるから!」と肝っ玉がすわったところを見せるBelleは、どんどんカッコよくなっていくのでした。

秘密裏に結婚するも、父親に脅されてしぶしぶ離婚訴訟を起こしたダメ坊ちゃん。だけどBelleはそれを毅然と立ち向かい、見事勝訴すると、そのカッコよさに坊ちゃんはまた惚れ直し…って、あんたら何やってんですか?とツッコミたくなるけど実話ですからね。まあ後半はなかなか面白かったです。

著者の作品を読むのはこれが3作目。最初に読んだ「The Closet of Savage Mementos」は、現代ものだけど設定が実は今作と似ているなあ、と読みながら思い起こしたりしました。個人的にはエミリー・ディケンソンが主人公の「Miss Emily」が翻訳されないかなあ、なんて思ったりしています。

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